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被曝とは

被曝の意味

被曝とは、人体が放射線にさらされることである。被曝の分類には内部被爆・外部被曝・自然被曝・医療被曝・職業被曝などさまざまあるが、福島原発事故のあと特に食品のセシウム汚染による内部被曝が心配されている。被曝による症状は急性症状と晩発性の症状があるが、昨今では低線量被曝におけるガン増加などが懸念されている。

被曝と被爆

字が似ているため誤用・誤記が多いが、放射線にさらされることは”被曝”と書く。”被爆”は爆弾などの爆撃を受けることを意味する。これら間違いを避けるため、”被ばく”と表記する場合も多い。


被曝の分類

被曝の種類はその経路によって内部被曝と外部被曝とに分かれます。外部被曝を考える際にはシーベルトという単位を使いますが、食品などを摂取することによる内部被曝の場合はベクレルという単位を用います。
ベクレルとシーベルトの違いとは 放射線・放射能の単位まとめ

内部被曝

内部被曝とは、主に飲食・呼吸による被曝であるが、体内から直接DNAを傷つける恐れがあるため、外部被曝よりも危険性が高いとされている。別名、体内被曝とも言う。

飲食による被曝

米(コメ)・水・野菜など食品を摂取することによる内部被曝です。福島原発の事故後セシウム等が飛散し、これによる内部被曝を防ぐため食品中におけるセシウムの暫定規制値が決められました。暫定規制値の単位、ベクレルとはこちらを参照。

呼吸による被曝

呼吸と共に放射性物質を肺および体内に取り込んだ場合の被曝です。N95規格のマスクをすることで大部分を防ぐことができます。ただし、タバコの葉にはポロニウムという放射性物質が付着しており、喫煙によっても年間10μシーベルト程度の被曝をしていると言われています。

皮膚からの被曝

皮膚や傷口に付着した放射性物質をそこから取り込むことです。

外部被曝

外部被曝とは、宇宙から降り注ぐ宇宙線や放射性物質から照射される放射線に体の外から被曝することを意味します。別名、体外被曝とも。外部被曝を低減する方法には「時間・距離・遮蔽」の三原則があり、コンクリート製の建物内に入ったり放射線元から距離をとり、できるだけ被ばく時間を少なくすることで被曝量を減らすことができます。

自然被曝

自然被曝とは、日常生活において特に何もしなくとも常に受けている被曝のことです。食品中に含まれるカリウム40や炭素14、大気中のラドンによる内部被曝、宇宙線や大地・建築物から受ける外部被曝とがあります。これらを合計して受けている自然放射線の年間被曝量は、世界平均で2.4ミリシーベルト、日本平均で1.5ミリシーベルトになります。

医療被曝

医療被曝とは、レントゲン撮影やCTスキャンなどの放射線診断やガン治療の際に受ける医療的な被曝のことです。一般的に放射線治療における効果が被曝による影響を超える場合のみに行われますが、日本をはじめ先進国ではこの医療被曝による被曝量が自然被曝を超えており問題視されています。

職業被曝

職業被曝とは、パイロットや宇宙飛行士・放射線技師・原子力業務従事者などが職業的に被曝していることを指します。これら放射線業務従事者は「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」により、被曝線量の限度が細かく定められています。

被曝による症状

被曝による症状には2種類あります。大量の放射線を短時間に浴びた場合の急性症状と、低線量被曝における晩発性の症状です。放射能被爆に関する単位については”シーベルトとは”を参照してください。

高線量被曝時に見られる急性症状

急性の症状はほとんどが外部被爆による症状であり、チェルノブイリ事故や東海村JCO臨界事故の被爆者によって確認されています。ですが、相当量の大量被曝をしなければ現れない症状であり、2011年3月11日の福島原発事故によるセシウム飛散によって起こる症状とは性質が違うと考えられます。

500ミリシーベルトを超えると見られる症状

全身被曝による線量が500ミリシーベルトを超えると、一時的な白血球の減少が見られます。その結果、免疫力の低下を招き、最悪の場合は出血・感染症の症状が見られるケースもあります。

1000ミリシーベルトを超えると見られる症状

1000ミリシーベルト(1シーベルト)を超える被曝を全身に受けると、吐き気・嘔吐・倦怠感などの症状を見せる場合があります。ここまで被曝の程度が進むと自覚症状としてはっきりと自覚できるようになります。福島原発事故の復旧作業時にも、この様な症状を見せる作業員が相当数いたと報告されています。

3000ミリシーベルトを超えると見られる症状

1500シーベルトを超える頃から発熱などの症状が見られますが、たとえ部分被曝であっても3000ミリシーベルトを超えると脱毛などの症状が現れます。さらに同じ線量の被曝が全身に及ぶと意識障害を起こす場合もあり、約半数が死に至るレベルの被曝量と考えられています。

7000ミリシーベルトを超えると見られる症状

5000ミリシーベルト以上の被曝で皮膚に赤斑ができたり永久不妊の症状が見られますが、7000ミリシーベルト以上の被曝を超えると皮膚は火傷(やけど)の症状を見せ、ほぼ100%の人が死亡すると言われています。これ以上の被爆では皮膚が水ぶくれ・ただれ・潰瘍などの症状をきたす様です。

低線量被曝時に見られる晩発症状

晩発性の症状とは低線量被爆時に見られる症状ですが、症状の現れる確率が上昇するという意味の確率的影響と、これ以上被曝すると確実に症状が現れるという意味の確定的影響とに分かれます。

100ミリシーベルト以下の症状

100ミリシーベルト以下の低線量被曝については、確率的影響の可能性が残るものの、その有無については意見が分かれています。

100ミリシーベルト以上の症状

100ミリシーベルトを超える慢性的な低線量被曝下においては、「100mSvごとに生涯のがん死亡リスクが0.5%上乗せされる」と言われています。



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