IoTとは?

話題のIoTとは何なのか?IoTブームの理由とは?

IoTとは通称”モノのインターネット”と呼ばれる技術で、今まではパソコンやスマートフォンでしか繋げなかったインターネットに「ありとあらゆるモノを繋いで便利にしてしまおう」という画期的な技術のことです。

2014年ごろから急速な勢いで注目を集め、企業はもちろんの事、政府や国家までもが政策の一環として多額の予算を設けIoT社会の実現を目指しています。

IoTは何の略?読み方は?

IoTは”Internet of Things(インターネット・オブ・シングス)”の略で、それぞれのイニシャルをとって”アイ・オー・ティー”と読みます。

具体的にどんなモノがインターネットに繋がるの?

IoT商品・IoT機器の具体例としてもっとも一般的な例は”身につけるIoT”、ウェアラブル・デバイスでしょう。

スマートウォッチのような時計型のデバイスはすでに数多く販売されていますし、盗撮の懸念から販売中止となったメガネ型デバイスのグーグルグラスは、2017年7月に法人向けとして無事に復活を果たしました。

ウェアラブルの本命とは?

その他にもウェアラブル端末にはシューズ型やリストバンド型・リング型・コンタクト型といった様々な形体があり、主にヘルスケア・ライフログの分野で活躍しています。

さらに近年ではイヤホン型のヒアラブル端末や「着るウェアラブル」と呼ばれる着衣型のIoT製品が登場し、ウェアラブルの大本命になると注目を集めています。

広がるIoT化の波

しかし、これらウェアラブルはIoTのほんの入口にすぎません。

冷蔵庫・洗濯機・エアコンなどすでにIoT家電というジャンルも存在していますし、今までデジタルやITとは無縁だったアナログなモノにもIoT化の波は押し寄せています。

+IoTですべてのモノが繋がる

実のところIoTで繋がるモノは無数にあるとも言えるのです。それはなぜか?モノをIoT化する際にその役割を実現しているのは一円玉サイズほどの通信モジュールなのです。

この通信モジュールが搭載できれば事実上ありとあらゆる物がIoT化できるわけで、そういう意味では「世の中にあるほとんどのモノがインターネットに繋がる」というのが真の答えなのです。

IoTで具体的にどんな事ができる?

では具体的にIoTでどんな事ができるようになるのでしょう?IoTを活用したとみられる事例を交えて3つのカテゴリーに分類してみました。

1)効率化

IoTで可能になることの一つにエネルギーやインフラの効率化が挙げられます。各家庭やオフィスに通信機能を持たせたスマートメーターを設置し、電力の使用状況をリアルタイムに監視します。


スマートグリッド

そして、東日本大震災のような災害時に効率的に電力を調整し停電を回避したり、料金プランの多様化が実現できるというスマートグリッドがその代表例です。

トレーサビリティ

また、食品・医薬品・宅配便などの現場で導入されているトレーサビリティや、ボーイング社が航空機のメンテナンスにRFIDを導入したことなどもIoTによる効率化の一例と言えます。

2)自動化(無人化)

さらに、googleが2010年より走行実験を続ける自動運転車や、「機械と機械が互いに通信することでこれまで人手で行っていた作業を無人で実現しようとするM2M」に見られるような自動化も、IoTの目指すべきゴールの一つです。

ただし、IoTによる自動化にはいくつかのレベルがあり、まずは複雑な工程のいくつかを自動化する「部分的な自動化」から実用化が進むと見られています。

アマゾン・ダッシュボタン

2016年末にアマゾンが発売した、押すだけで商品を注文できるという「アマゾンダッシュボタン」などは
1)パソコンやスマホを起動する
2)ブラウザを立ち上げる
3)アマゾンのECサイトで商品を検索する
4)商品をカートに入れて決済する
、という一連の動作をワンプッシュで実現できる、「部分的な自動化」の最もシンプルな形と言えるでしょう。

3)新しい価値を生み出す

その他、これまでIT化とは無縁だったモノにIoTの考え方を取り入れることで新たな製品を生み出そうという試みが、すでにいくつも始まっています。以下はそんなIoT製品の一例です。

メガネ+IoT

目の動きを前後左右に測定し、眠気・疲れ・集中力といった観点で評価を行い、ドライバーの居眠り運転を回避できるメガネ型ウェアラブルデバイス「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」

・YouTubeでJINS MEMEの動画を見る

カーテン+IoT

毎朝、タイマーで設定した時刻に自動でカーテンを開閉してくれる「めざましカーテン mornin’」

・めざましカーテン mornin’の動画(YouTube)

ボール+IoT

サッカーボールを蹴った時のスピード・回転数・軌道・キックポイントなどを計測し、より良いシュートが打てるようにアドバイスをくれたり、プロのプレイヤーと比較できたりする「miCoach SMART BALL(マイコーチ・スマートボール)」

・miCoach SMART BALLの動画(YouTube)

なぜ今IoTが注目されるのか?

さて、「世の中にある様々なモノがインターネットに繋がる」、という所までは分かったけれども、それがなぜ今急に注目を集めるようになったのかを解説していきます。

時代はユビキタスからIoTへ

実はIoTに非常によく似た概念でユビキタスという言葉があります。「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」ネットワークに繋がることを目標に、ICT政策の一環として研究・開発が進められてきました。


花ひらく IoT元年

この国家戦略ともいえる研究プロジェクトに昨今の急速なIT分野の進歩が追い風となり、ようやく商用化されようとしているのがIoTなのです。

つまり、ユビキタスで研究段階にあった構想が、IoTで現実味を帯び、普及段階に入ったと見ることができるわけです。

IoTの実現を後押ししたもの

ではなぜ研究段階であったユビキタスがここまで活気を帯びるようになったのでしょうか?それはひとえにiPhoneをはじめとするスマートフォンの普及があったからだと言われています。

各種センサー類の小型化・低コスト化

iPhoneシリーズは150グラム程度の本体に、「加速度センサー」「指紋認証センサー」「気圧計」「圧力センサー」といった様々なセンサー類やICタグを実装しています。

iPhoneの普及にともないこれらセンサー類の大量生産が促され、小型化・低価格化・省電力化が進みました。

ワイヤレス通信の発展

さらに、今や当たり前となったWi-FiやLTE・Bluetoothなどのワイヤレスネットワークの普及もIoTの実現には重要な役割を担っています。

今後、IoTデバイスの増加によりそこで生み出される情報量は爆発的に増えると予想され、これらを遅延なく処理するための新方式として5GやLPWAといった次世代無線通信規格の実用化も進められています。

AIとクラウド

また、AIやクラウドコンピューティングといった先端技術もIoTとは深い関わりがあります。

近い将来には人口の数倍〜数十倍にまで膨らむと予想されるIoTデバイス、そこから日々生み出されるビッグデータを効率的に収集・分析するには従来型のサーバやアプリケーションでは役不足だからです。

IoTの仕組み

続いて、ここでもう少し具体的にIoTの仕組みについて見ていくことにしましょう。

すべてのモノに固有の番号を割り振る

IoTを実現する一歩目は、世の中にある”ありとあらゆるモノ”にucode(ユーコード)という固有の番号を振るところから始まります。

ucodeはテレビや冷蔵庫・洗濯機・エアコンといった家電はもちろんのこと、タクシーやバス・自転車といった交通手段、さらには観光地でのデジタルサイネージ(看板)や電柱・道路といった位置情報を取得するモノにも割り振られます。


センサーから情報を取得する

続いてセキュリティ分野であれば「煙」「熱」「人感」、輸送であれば「走行距離」「位置情報」、ヘルスケアであれば「体温」「血圧」「心拍」といった具合にそれぞれの用途にあった各種センサーを加えていきます。

クラウド・ビッグデータ・AIの活用

そして、それらセンサーから得られた情報をucodeとあわせクラウドに送るのです。

この情報は24時間365日、ありとあらゆる場所やモノからクラウドに送信・蓄積されビッグデータとなります。

そして、この膨大なビッグデータをAI(人工知能)が解析し元のデバイスや利用者にフィードバックするわけです。

IoTに潜むリスクと課題

さて、夢の技術IoTにもリスクや課題は存在します。ここではその中でも特に重要な「セキュリティ」「個人情報」「人材」「電力」「オープン化」の5つについて見ていきたいと思います。

課題1)セキュリティ問題

IoTの負の側面として、セキュリティリスクの増大が危惧されています。

IoT革命により私達の身の回りの中でインターネットに繋がるデバイスの数が増えるに連れて、同時に外部からの侵入ルートも増加します。

これは不正アクセスの頻度を高めるだけでなく、その発見に至るまでのタイムラグの増加を意味します。

やがてサイバー攻撃は人命をも脅かす

しかも、現状そこで脅かされる被害は主に個人情報に限定されますが、自動運転車や医療機器がネットワークに繋がった未来では、人体に直接危害を加えるといった可能性も現実味を帯びてきました。

サイバーセキュリティ戦略

こうした事態を鑑み、2015年9月にはサイバーセキュリティ戦略が閣議決定されました。

本戦略は2020年の東京オリンピックを含む2020年代初頭までの将来を見据えたサイバー空間における基本原則になるとされています。

戦略の目的には、『安全なIoTシステムの実現』『安心できるマイナンバー制度』『中小企業を後押しするためのクラウドサービスの普及促進』などが挙げられています。

課題2)個人情報の扱い

さらに、IoTデバイスの増加によって、例えば顔画像や指紋・虹彩・DNAといった身体情報、または病歴・通院歴・服用している薬といった健康情報など、それまでの個人情報の概念では想定しなかったようなものまでがサイバー空間に蓄積されていくことになります。

10年ぶりに改正された個人情報保護法

2015年に改正された個人情報保護法では、こうした身体的特徴を「個人識別符号」として明確に定義しましたが、「何をもって個人を特定しうるか?」という個人情報の範囲は今後も広がっていくことが予想されます。


保護するだけが個人情報ではない

さらに、スマートフォンや自家用車から得られる位置情報などは特に災害時においては安否確認や迅速な救助に繋がる面があり、やみくもに情報保護を訴えるのが得策でないケースもあります。

こうした面から個人情報を提供するか否かという問題は、利便性とプライバシーを天秤にかけるという問題とイコールだと言えます。

課題3)人材不足

IoTがIT産業の潮流となることは間違いない一方で、深刻な人材不足を招くことも懸念されています。

特に今までITとの関わりがあまり深くなかった業種においては、ITスキルはもちろんの事、専門用語を分かりやすく噛み砕いてくれるようなコミュニケーション能力を併せ持った人材が求められています。

複数の領域にまたがるスキル

また、既存のモノにICTを活用し、今までになかった新しいアイデアが出せるといった企画力、さらに市場のニーズを的確に読みビジネス創出に繋げるためのマーケティング能力なども必要です。

技術面では、ハードウェア・ソフトウェアに加えて電子機器を制御するために予め搭載されている「組み込みシステム」に精通している事も重要視されています。

プログラミング教育の必修化

こうした課題に取り組むべく、アベノミクスの一環として、2020年からプログラミング教育の必修化が決まりました。

日本再興戦略の中で決定されたこの必修化は、昨今の少子化時代を乗り切るための最大のカギは「人工知能」「ビッグデータ」そして「IoT」にあると解き、これら技術に代表される「第四次産業革命」で日本が主導的地位を確立するためには、早期からのプログラミング教育が不可欠だと締めくくっています。

課題4)電力供給

増え続けるIoTデバイスに対して安定的に電力を供給することは可能なのでしょうか?

ほとんどのIoT機器はワイヤレスを前提に設計されます。しかし、電力供給のための配線が困難な場所があったり、バッテリー交換に人的コストがかかるなど、電力供給がIoT普及にとっての課題の一つとなっています。

ワイヤレス給電

そこで、こうした問題を解決すべく非接触型電力伝送という技術の実用化が推し進められています。

ワイヤレス給電とも呼ばれるこの技術は、すでにQi(チー)というスマホ向けの「おくだけ充電技術」として実用化されていますが、伝送距離が短く損失が大きいというデメリットもあり今後の改良が急がれます。


エナジーハーベスティング

また、環境中にあるエネルギーを電力に変換するというエナジーハーベスティングにも期待が寄せられています。

これは光や熱・電波・振動といった微細なエネルギーをハーベスト(収穫)するという意味で、電卓や腕時計などに利用されています。

ただし、こちらも発電環境の不安定さや採算性の問題などがあり普及には今しばらく時間がかかりそうです。

課題5)ガラパゴス化への懸念

IoTの発展・普及を考えた時、「どこまでオープンに開放できるか?」という問題が浮上します。

ビッグデータとして蓄積された情報やエンジニアの開発環境を向上させるためのAPIなどをオープン化、つまり「誰でも自由に使える状態」にすることで、革新的なサービスやアイデアが生まれる可能性が増すわけです。

オープン化を阻むゼロリスク信仰

しかし、特に日本の企業は自社の製品・サービス内の連携を重視するあまり、囲い込みとも取れる閉鎖的な姿勢を示す傾向が強いのも事実です。

また、日本社会にはゼロリスク信仰や100%の保証を求める国民性が根強く残っており、こうした障壁に阻まれればケータイ市場で起こった様なガラパゴス化が再び起こるのではと危惧する意見もあります。

IoTの目指す未来とは?

すべてのモノがネットワークに繋がり、モノとクラウド・AIが総体となって機能するシステムをアグリゲートコンピューティングと言います。

さらに、モノだけでなく人や場所といった概念をもサイバー空間に取り入れた世界はIoE(Internet of Everything)やCPS(Cyber Physical System)と表現されます。

これらはIoTのめざす言わばゴールと捉えることができますが、今後IoT化が加速することで社会が向かおうとしている方向性とはどのようなものでしょう。

スマート化される世界

携帯電話がスマートフォンになったように、世の中のいたるところでスマート化の流れが加速します。

IoTによって温度・湿度・照度・二酸化炭素濃度などを自動調節できるようになった農業はスマートアグリと呼ばれます。

ドイツ政府が製造業の生産性を上げるべく推進するインダストリー4.0では、機械と機械が連携するスマートファクトリーという構想を打ち出しています。

スマート革命

さらに、スマートロック・スマート家電・スマートグリッドにより家全体をスマート化したスマートハウスや、それを街全体に広げたスマートシティ、ひいては国家レベルのスマートカントリーという構想さえも出現し、こうした一連の流れをスマート革命と呼びます。


シェアリングエコノミー

また、IoTはカーシェアや民泊に代表されるシェアリングエコノミーをも加速させます。

IoT技術はモノの位置や利用状況といった情報がリアルタイムに得られることから、管理の無人化やセキュリティ面の向上が実現できるためです。

時代は所有から共有へ

海外の事例としては民泊アプリのAirbnbや配車アプリのUberが有名ですが、日本のサービスとしては、15分単位でのレンタルを可能にしたタイムズカープラスや、個人間でのカーシェアアプリを提供するAnyca(エニカ)などSNS時代を先取りしたサービスがすでに都市部を中心に始まっています。

あらゆるモノが共有される未来

クラウドファンディングはお金のシェア、クラウドソーシングは労働力のシェアと言い換えることができますが、ブランドバッグの定額レンタルのLAXUS(ラクサス)・愛犬家同士を結びつけペットホテルを依頼できるDogHuggy(ドッグハギー)など様々なモノのシェアがIoTにより加速しています。

フィンテック

例えば出先のレストランやショッピングにおいてスマホ一台で決済ができたり、飲み会の支払いをアプリ上で簡単にワリカンできたり、そうした入出金をもとに自動で家計簿を作ってくれたり、こうした技術をフィンテックと言います。

IoTは金融のあり方を根本から変える

IoTはこのフィンテックとも密接な関係があり、特にIoTによって生み出される膨大なビッグデータをAIで分析することにより、お金の流れが「より小規模に」「より短期間に」行われるような大変革が起こると予想されています。

テレマティクス保険

IoT化された未来では、自動車の運転中に急発進や急ブレーキ、視線の動き、血圧・心拍数の変化などのデータが常に送信されます。

そうしたデータをAIが分析することでドライバーの運転技量をランク分けし、それを元に保険料を決定する、こうした保険をテレマティクス保険と呼びフィンテックの一分野として今後の発展が期待されています。

2045年のIoT

2045年には「AIの能力が人類を超えるシンギュラリティ」が訪れるとも言われていますが、そのような未来ではインターネットは空気のような存在になり、IoTという言葉はもはや死語となっているのかもしれませんね。



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